大小というのは3個のダイスを振ってその出目を予想するカジノゲームで、漢字名称であることから想像できるとおり中国発祥で、マカオなどアジア圏でよく遊ばれているゲームです。
丁半賭博はダイス2個ですし、そもそも丁半賭博はほぼ時代劇の中だけのもので現代の日本人の日常生活ではまず登場することのないゲームですが、それでも比較的馴染みやすいということができるでしょう。
ダイス3個を振りますので、一つ一つのダイスを区別すればその目の出方は6の3乗で216通りになります。
結構な数になりますから、それだけ多くの賭け方が用意されているのが特徴になります。
ただ、賭け方によって期待値がかなり大きくばらついていることが多いというのもまた特徴であり、この点では例えばルーレットとは異なっています。
ルーレットでは、一部例外はあるものの、どのような賭け方をしようとも基本的には期待値は36/37で一定であり、賭け方による有利不利は生じません。
もちろんカジノにおいては期待値が全てでは決してなく、その場の流れを読むというか運次第で勝負に出ることもありますから確率だけを論じても詮無いことであるのは言うまでもないのですが、ある程度は知っておくというのは大事なことでしょう。
特に流れが来ている訳でもなくここぞという勝負をかけているわけでもないのに、あえて期待値の低い賭けに飛び込む意味は薄いかもしれません。
大小で最も基本的な賭けは、3個のダイスの合計が10以下か、11以上かを当てるもので、倍率は2倍です。
一見すると完全に五分五分の勝負で期待値100%になるように思えるかもしれませんが実際にはそうではなく、3つのダイスの目がゾロ目になった場合は外れになりますので、勝つ確率は50%ではなくそれよりも小さくなっています。
計算すると、どちらも勝率は105/216であり、当たったときの倍率は2倍ですから期待値は210/216つまり約97.2%になります。
カジノゲームの中では十分に高いということができ、賭けの基本として有用ではありますが、当たっても倍率は2倍ですから大勝ちが期待できないのがマイナスポイントではあります。
逆に最も高い倍率なのはゾロ目が出ることに賭けることです。
かなり思い切った賭けであることは説明を要しないでしょうが、1から6までのどれかのゾロ目が出ることに賭けると倍率は31倍、特定のゾロ目が出ることに賭けるのは実に181倍もの配当が得られます。
倍率は魅力的ですが、期待値としてはどうなのでしょうか。
どれかのゾロ目が出る確率は6/216ですから、掛け算して期待値は186/216つまり約86%です。
特定のゾロ目になると確率は実に1/216と最小で、同じように掛け算すると期待値は181/216つまり約83%に過ぎないことが分かります。
倍率の高さは確かに魅力的で、ここぞというときに使える賭けではあるかもしれませんが、常用するような賭けではないことが分かるでしょう。
大小では3つのダイスの合計を予想する賭けもあります。
この場合、どの数字が出るかの可能性としては平均値である10.5に近い10や11が出る可能性が最も高く、逆に4とか5、16とか17などが出る可能性は低くなります。
なお、ここでもゾロ目は外れですから、1のゾロ目しかない合計3と、6のゾロ目しかない合計18を当てる賭けは初めから存在しません。
そして、合計の数字によって倍率が細かく決められており、それぞれに期待値も微妙に異なっているのです。
確率は数学的に決まるものですから全世界共通ですが、倍率は実は全世界共通ではなくカジノによって異なっていることがあります。
ですので期待値として何が有利で不利かというのは個々に計算してみないことには分かりません。